はじめに
我が家では
練炭の乾燥炉を使って
干し柿を作っていますが、
「炉の中の温度、場所によってどれくらい違うのか測定してみたい」
上段と下段、手前と奥。
温度にムラがあれば、
仕上がりにも差が出ます。
「温度の上がり具合、下がり具合を時系列で見たい」
温度管理するうえで、
把握しておきたいデータです。
それを確かめるには
温度分布を時系列で計測する
システムが必要です。
乾燥炉は少し離れているので、
自分の部屋から見ることができると
なお都合がいい。
この記事では、
安価な部品で温度ロガーを自作し、
プログラムはAIに作ってもらった体験
を紹介します。
プログラミングの知識がなくても、
ここまでできました。
同じように
「測ってみたいけど、機材が高そう」
と迷っている方の参考になれば嬉しいです。
これまでの管理のやり方
干し柿は、温度管理を
自動で行ってくれる電気乾燥機で
作ることができれば楽です。
しかし、
それではキレイに仕上がらないため
どうしても練炭乾燥が必要です。
練炭の乾燥は、管理が面倒で、
温度を随時確認しながら
その温度に合わせて練炭壺の
空気流入口の大きさを
変えてやる必要があります。
(空気流入量が増えると温度が上がる仕組み)
これまでは(今でも家の年寄りは)
乾燥炉のドアに取り付けてある
昔ながらの温度計を見て
温度を確認しています。


1日に何度も
乾燥炉まで行って温度を確認する
のは面倒です。
改善した管理方法と問題点
乾燥炉まで出向かなくても
温度を管理できるように
測定器を購入しました。
実際に購入したものは
なぜか販売中止になっていたので、、
こういう感じのものです。
これなら、自分の部屋にいても
温度が何℃になっているか
わかります。
温度が管理値から外れたときに
調整に行けばいいので、
少し楽になりました。
しかし、
温度の測定値がだんだん
怪しくなってきました。
たぶん、普通の使い方では
こんなことは無いと思いますが、
練炭炉の中に子機を入れているので
子機が劣化したのではないかと
予想しています。
そして、ついに
測定できないようになってしまいました。
ワイヤレス測定器が壊れたこと、
以前から温度分布や時系列の
温度データを計測したいと
思っていたことが重なり、
データロガーみたいなものが
ほしいと思いました。
高額なデータロガーが必要だと思っていた
複数の場所の温度を、
時間を追って記録する。
こうした測定には、
市販のデータロガーを使うのが
普通だと思っていました。
普通に検索すると、これです。
多点で測れる製品は
普通に数万円します。
正直ためらう金額です。
測定器とは別に熱電対も
買わなければなりません。
なので、
以前から考えていたけれども
購入には躊躇していました。
でも、
今はAIの時代。
ふと思いついて、
チャッピー(ChatGPT)に聞いてみました。
質問文
「干し柿の乾燥機の炉内分布を測定したい。
9カ所ほどの位置に熱電対を付けて、時系列的に温度を収集するシステムを作りたい。
データはWifiでパソコンに取り込むことができるようにしたい。
最適なハードウェア、ソフトウェアについて、どのような構成にすべきか、
何を購入すべきか提案して下さい。
完成されたもの(例えばデータレコーダー)は値段が高いので、
ラズベリーパイとか安価な構成で製作する方向での提案をお願いします。」
この問いに対して
いっぱい回答が返ってきました。
長文になるので掲載はしませんが、
要約すると、
「できる」
「Raspberry PiよりESP32が適している」
「microSDは付けておいた方がいい」
「プログラムは作ることができる」
その他、回路構成,必要な部品、
さらに安価に作る場合の構成
回路は乾燥機の外に設置するよう助言
などなど
まじかー
強い味方を得たので、
自作に挑戦することにしました。
なお、今回の案件は、
ChatGPTよりもClaude Codeのほうが
向いているのではないかと思い、
製作は後者でやりました。
子どもの頃のプラモデルを作る感覚で回路を自作
使った部品は、
Amazonで購入しました。
部品 | 役割 | おおよその価格 |
|---|---|---|
| マイコンボード:ESP32 | 温度を読み取り、記録する頭脳 | 1,390円 |
| 熱電対アンプ:MAX31856×3個+熱電対×3本 | 炉内の各位置の温度を測る | 1,705円×3個+1,998円×3本 |
| Micro SD TFカードメモリシールドモジュール | SDカードへの読み書き | 160円 |
| ACアダプタ | 回路に電気を送る | 680円 |
| 合計 | 13,339円 |
これ以外に、
リード線やSDカード本体
ユニバーサル基板など
細かいものも含めて
合計15,000円以内です。
注)
・熱電対がそこそこ値段が高いので3点に減らしました。
・価格は1個分の値段ですが、数個単位で購入が必要なものもあります。
届いた部品を机に広げ、
AIが示してくれた配線図を見ながら
順につないで半田付けしていきます。
この作業は、
楽しかったです。
部品を組み立てていく感覚は、
子どもの頃に夢中になったプラモデル
みたいな感じ。
みたいな、って、
もう昔のことなので忘れましたが(笑)
電子工作は
ほとんどやったことないけど
楽しまなきゃ損でしょ(^^)v
「回路図はわかったけど、端子配列がわからない」
「図面と実物の標記が違うけど大丈夫?」
「リード線の太さは何mmがいい?」
分からないところは、
その都度AIに質問しました。
初歩的な疑問にも丁寧に答えてくれました。
【製作した回路】

筐体BOXは100均で
適当な容器を買いました。
プログラミング未経験でも、AIがプログラムを作ってくれた
回路ができても、
動かすには
プログラムが必要です。
Pythonは名前だけ知ってるけど
実際に作ったことないし、
そもそも、これに適したプログラム言語は
何が良いかもわからない。
あと、パソコンとスマホの
両方で見れると都合がいいけど、
そうするとますます
どんな言語がいいか全く不明・・
AI(Claude Code)に
「回路の配線までできたので、温度測定するプログラムを作ってください」
たったこれだけの指示文で、
かなり完成度の高いものを
作ってくれました。
指示もしていないのに、
・測定間隔を複数から選択できる
・グラフに表示する範囲を複数から選択できる
・SDカードに保存したデータを個別に表示できる
などなど
都合の良い機能を付けてくれています。
プログラムを作ってくれて、
それをどうやって回路に接続するか、
書き込む用の専用ソフトウェア(無料版)は
どこからダウンロードするか
など、プログラムをインストールする
周辺の動作も詳しく教えてくれたので、
比較的スムーズに動かすことができました。
あとは、細かいところの修正です。
たとえば、
回路は乾燥機に取り付けたので
プログラムを修正するときに
そこまで行って屋根裏に登って
USBを接続して行う,
というのは面倒です。
「ネットから書き込むことはできない?」
できるようにしてくれました。
「グラフに表示する範囲の選択肢が少ないので、
これとこれを増やして」
「グラフの横軸の目盛りが見にくいので
キリの良い単位に、縦軸に線も入れて」
なんでもやってくれます。
「なんか変な線がでてきたけど、バグ?」
直してくれました。
そんなやりとりを重ねて
完成したプログラムの画面が
これです。

もちろん、
スマホからでもパソコンからでも
見ることができます。
測定したデータは全てSDカードに
保存され、ダウンロードもできるので
読み込んで解析することも可能です。
解析するときには、ここもAIに
「読み込んだデータを整理して」
みたいな指示で、できそうです。
ネットで動くプログラム
「作れるようになるため勉強しようか?」
と思っていたけど
必要なくなりました。
なんて時代になったんだ、全く(汗)
干し柿乾燥炉で運用してみて
完成した温度ロガーを乾燥炉に設置し、
実際の干し柿づくりで運用しています。
センサーは前面、中央、奥の
3か所に配置しました。
運用して、
意外な効果を感じたのは、
「温度変化の推移がわかるのは便利」
ということです。
練炭の空気流入量を調整して、
そこから温度がどう動くか?
これまでは、
デジタルの温度を随時見ながら
なんとなく
「少しずつ上がってるかな」
という、
感覚で把握していました。
今回のシステムを入れることで、
少し放っておいても、
経過がグラフで確認できる。
しかも、見易い!
視覚的にわかりやすい!
つぎの打ち手(再調整するかどうか)
を判断しやすくなりました。
さらに、夜中の推移も見れるので、
寝ている時間にどんな動きがあったか
それも見ることができます。
当然ながら、
設定した温度を超えたとき、
アラートで知らせてくれます。
アラートのON-OFF,
音をミュートにするかなど、
指示していないのに
設定できるようにしてありました。
(すごっ)
これはもう、
手放せませんね!
(温度測定システムもAIも)
まとめ|「作れないと思っていたもの」が作れる時代になった
今回の体験で
一番感動したのは、
知識がなくても、やりたいことさえ伝えられれば形にできる
ということです。
少し前なら、
専門の知識や高い機材が必要
だったことです。
それが今は、
好奇心と少しの手間があれば
実現できます。
今回の体験をするまでは、
「買うしかない」
「自分にはできない」
と思っていた課題が
できた。
しかも意外と簡単に!
これからは
できあがったものを買う-
から
自分で作る-
が広がっていくかもしれない。
作ることも楽しめる時代に。
「測ってみたい」
「自動化してみたい」
と思っていることがあれば、
ぜひ一度AIに相談してみてください。