夢を実現するための努力

夢(目標)に向かって努力しながらも、ついついだらけてしまって、自分に活を入れなければ、と思うこともしばしば。
そんなとき、ふと思い出す逸話を紹介します。

今回も将棋のプロ棋士の例から抜粋。
晩学の奨励会会員、永作芳也三段の逸話。
朝、彼(永作三段)のアパートを若手棋士がのぞいた。
机の上に盤と駒が。
聞くと、自分の負けた将棋の局面だという。
彼は一人、盤に向かい、沈思黙考していた。
夜、その若手棋士は再び彼のアパートを訪れた。
そしておどろいた。
机の上に、朝と同じような局面が、、彼は盤上をじっとにらんでいる。
これも朝見た光景とおなじである。
彼は一日中、自分の負けた将棋とあい対して「敗因」を徹底的に掘り下げていたのだ。

将棋界は、将棋を覚えるのが早いほど有利であり、絶対条件ともいえる。
小学6年生くらいのころには県内のアマチュアで一番強いくらいになっていないとダメだ。それよりも遅ければ遅いほど不利であり、プロになることすらままならないかもしれない。
将棋界はプロ志望の子は奨励会に入会する。奨励会リーグ戦を勝ち抜いて、四段になってはじめてプロの称号が得られる。年をとるとともに記憶力や思考力が衰えて昇段する可能性が低くなるため、奨励会には年齢制限が設けられており、ある年齢をすぎると退会しなければならない。当然ながら年をとってからの入会はそういう意味でも不利である。
永作芳也三段は遅い入会であった。そのため「いずれ退会するだろう」という噂もあった中、努力のすえ見事四段に昇段した。
「ケタはずれの努力を積み重ねる人間には棋界の常識は通用しない」
彼の昇段によって棋界に流れた言葉である。

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