プロは寝ている間に強くなる。
プロとアマ、その大きな違いは、上達の目標(レベル)をどこに置くかの違いです。目標の違いは、おのずと到達する方法の違いを生みます。
もしも、あなたが強くなりたいと思うなら、その目標はどこか?
将棋や囲碁なら何段レベルか?初段か?県代表クラスか?プロレベルか?
トレーダーなら月何円稼ぎたいのか?月給レベルで良いのか?億レベルか?
山登りに例えるなら
エベレストに登りたい,富士山に登りたい ~ ハイキング程度で良い など
その目標は高低さまざまです。
夏山へ登るのに酸素ボンベは要らない,しかしエベレスト登頂には必要。また登山技術としての知識の修得の要否も絡んできます。ハイキングならテントの張り方の知識すら不要です。目標によって、必要な知識も異なるのです。
一つの山(たとえばアマ初段)を登りきってから、次の山(アマ高段)を目指す、というのと最初からプロレベルを目指すのとでは、上達の速度は大きく異なります。はじめからプロを目指した人のほうが、ずっと強くなるのが早い。なぜか?目標に対する集中力,執着が違うからです。
あるひとつのことに集中する「○○狂い」は、変わり者,変人扱いされます。一般人の理解を超えた行動かもしれませんが、徹底して集中した勉強時間を持つことによって、「寝ていて強くなる時」がやってくるのです。それは、梅酒が時間のなかでゆっくりと熟成するようなぐあいです。よく、寝る子は育つといいますが、似ていますね。
カリスマトレーダーのTMさん、朝から夜遅くまでチャートに張りついていて、チャートが表示されたパソコンの前で寝落ちしたことも何度かあるとのこと。短期間に大きな利益をだせるようになられたのは、きっと寝ていながらも強くなったからだと思います。
古い本で、原田泰夫八段の本を見つけたら、同じようなことが書いてあったので以下に参考抜粋します。
「奨励会に入ると、寝ているうちに強くなれる」
といわれるほど、夢のなかにまで盤が現れて駒が動く。相手は名人であったり、高段者であったりするから驚く。
逆転負けした夜などは、悪鬼を相手に指し、その憎らし気な顔に叩きつけるようないきおいで駒を指し、やっぱり夢のなかでも逆転し、あまりの腹立たしさに、ビックリして飛び起きてしまう。
こうした毎日を送っていると、ある日、突然霧が晴れるように、梅雨が去って真夏の太陽がポッカリ顔を出すように、周囲の景色が明るくなっているのに気づく。局面の見方、手の読み方まで悟っていることに気づく。こうなると一つの壁を越え、別人のように強くなる。
強くなったところに、新しい、もっと大きな壁が待ち構えている。一難去ってまた一難である。そこでさらに研究する。局面の見方が変わってくる。少しずつ、高段者に近い手が打てるようになってくる。
同じような読み、同じような手が打て、全体の大局観、情勢判断、決断、勝負どころについて、もっと深くわかってくるようになる。