升田幸三元名人の言葉で、「運・勘・技・根」というのがあります。昔、棋譜解説ビデオが販売されており、その中で言われたように記憶します。(そのビデオは残念ながらもう手元にないので確認できないのですが)
「根」:根気強く努力することから始まります。どんなものでも下積み時代というか、地道な体当たりの時期があります。頭で覚える・体で覚える,といった表現が昔よく使われましたが、体で覚える期間・試行錯誤を繰り返す期間ともいえるでしょう。
「技」:しかし個人の範囲で努力していても限界があるもので、専門書を読んだり熟練者に教わったりして技術を身につける必要があります。その道の定跡であったりテクニックであったり、最低限の模倣レベルの知識は全て吸収する必要があります。基本的な技術を覚え、考えなくても体が反応するくらいまでに身につけば、次に個性的・独創的な段階に移ります。
「勘」 一定以上の勉強,実践を積むことで、脳にたたき込まれた膨大な情報は、潜在意識が整理・分類・統合します。そうすると、実践の場において勘がはたらくようになります。勘は甚だしい力と書くので 潜在脳がフル計算した結果の出力です。当然ながら、あてずっぽうのカンとは大きく異なります。
「運」:勘がはたらくくらいまで努力したその先に、運・不運というものがあります。そこまでくると、ツキを呼ぶとか,運気を上げるとか、別の次元の発想が必要になってきますが、その部分については 勝利の女神に好かれるためには などを参考にしてください。
私の反省ですが、昨年、明治神宮にいったとき「必勝御守」を買いました。それを持っているだけで、運をもらったような気分になって、安易な勝負をして負けてしまい、「このお守り全然きかないじゃん」と机を叩いて怒ったことがありました。しかし、あとから冷静になって考えると「 運までの努力に至っていない自分」を戒めるべきという反省をしました。どんな思考をしたか、普段どんな行いをしているか、 勝利の女神はいつも見ていますね。