忙しい人のモデル例を作って質問してみた。
「仮に今、年の頃は35歳前後のサラリーマンがいたとします。この人は会社でも中間管理職の立場で非常に仕事が忙しい。家は都心からずーっと離れた郊外にある。毎日残業、残業で、そのうえ通勤時はラッシュのため棋書も読めない。つまり、忙しい現代人です。この人はアマ3級くらいだけど強くなりたいと思ってます。この人がアマ初段以上に到達するために何かうまい方法がありますか?
家には二人の幼児がおり、家庭サービスで休日も研究する暇が無い,いそがしい人なんですが・・・」
強さとは、それにどれほど汗を流したか、その量によって決まる,とは一般にいわれてきたことだ。それを、なんとか最少の努力で最大の効果がある上達法はないものか?という質問。
「虫がよすぎます」こう断言されるのではないか、と半ば首をすくめた瞬間、「ありますよ、うまい方法があります。そんな人にぴったりの上達法・・・
しごく簡単なものがね」
「そ、そのうまい方法ってのは?」これぞ福音、思わず身を乗り出す・・・。
「本気でやる気を出す、ということが大前提ですが・・・
頭の中で、少ない時間でやれることなんです。
つまり、プロの棋譜を、完全に暗記するってことです」
-プロどうしが戦った一局の棋譜をすっかり丸暗記する。
これが忙しい人でもできる上達法だった。
「他人の棋譜を暗記するということは、ある意味で奨励会員たちの上達法に似ています。彼らはプロ棋士の対局記録係を務める。一日中、指し手を記録し、その意味を考え、自分もいっしょになってその後の変化をヨム。そのうちに盤上の指し手と自分の間に呼吸するものが生まれる。棋譜をなぞるうち、当の棋士が選んだ指し手、ねらったスジ、寄せの感覚、大局観、序盤の駒組み-それやこれやが、身についていくのでしょうね。」
一流の画家が、いい弟子を育てるための方法は、ひたすら良い絵をみせることだ、とされる。
「好きな絵をスケッチしてきなさい」弟子は、自分が心に惹かれた一枚の絵を
何日もかかって丹念にスケッチする。これをくり返すことによって、しだいに「良い絵」と「悪い絵」を見分ける力がやしなわれるのだという。一枚の絵の奥にあるものを、くっきりと焼き付ける。そして鑑賞眼が植え付けられる。
上達を願う奨励会員が、朝の五分間、心を静め「どうか将棋が強くなりますように・・・」と目をとじ、「将棋の神様」に黙とうをささげるというような話を聞く。これを、純真なあまりの「効果のない方法」と思ってはいけない。いつも心の中でふれ合っていることが、実は上達の急所なのである。
棋譜を暗記する、といっても、ムリヤリたたき込むのでは全然楽しくない。自分の好きな棋士の棋譜、内容のおもしろいもの、と選んで、毎日少しずつ覚えれば良い。1局が終わればまた1局を・・・こうすることによって、多忙な人でもかなりの棋力上達が可能でしょう。
私はいまトレードの勉強をしています。
バーチャルトレードのプログラムを作成したのでお金をかけずシミュレーションで実践経験を積むということをしているのですが、やみくもに実践だけを増やしても、イマイチ成長がおそいなぁ、と感じていました。しかし、何をどうやって勉強してよいものか見つけることもできていませんでした。
今、やっていることは、1枚のチャートに勝っている人(理想的なトレードをしている人)が書いたメモ(エントリーポイント,手じまいポイント,抵抗線,インディケーターでチェックしたところなど)を記憶しています。正確には、自分の考えで線を引いたりエントリーポイントを決めた結果が、その人と同じようになるように反復しています。そうすることで、もっと自信を持ってエントリーできるのではないか、どのタイミングを待つべきかがわかるのではないか、と期待しています。これまでも、そのような情報は何度も見ていました。見ていながら身につかなかったのは何故か?自覚はなかったのですが、意外と多くの貴重な情報を忘れてしまっているんです。年のせいもありますが、、人間は忘れる生き物なのです。しっかり体にしみこむよう、一所懸命記憶していこうと思っています。もちろん丸暗記ではダメで,自分の結論がお手本と一緒になるように、考え方を忘れないようにするということです。パッと局面をみて瞬時にその判断基準で見ることができるようになることを目指しています。