「創造力」という本に掲載されていた問題です。
人々が心の中にもっている「刑務所の格子」


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この問題が教えてくれること
「創造力」という本に掲載されていた問題です。
人々が心の中にもっている
「刑務所の格子」
9つの点が四角い格子状になって、
あたかも刑務所の格子を連想する
ような形になっています。
しかし、訴えたいことは
心の持ち方、考え方なんですね。
「だから自分は踏み出せないんだ」
と、仕事や勉強・人間関係で
自分がつくっていた「限界」に
気づかせるための問いです。
「創造力」から抜粋——なぜ私たちは枠のなかにいるのか
この問題を解くときの困難について、
同書ではこう書かれています。
これを解く場合の困難の一つは、
自らが課したというか
習慣が課したというか、
いずれにせよ、問題は
「限界」である。
技術者にしろビジネスマンにしろ、
ほとんどの人がおかす共通の誤りは、
決して大きく考えようとしないこと
である。
やっていることを確認したがり、
人為的に定めた限界の中にいたがること
が多いものだ。「全ての人が
刑務所の格子の中に住んでいる。
この格子は、
人がその心の中にもっているものだ。
群れという避難所にいれば安全である。
あるのは規則と指示と命令だけ。
人は自由と責任が恐ろしい。
自らのまわりにめぐらす刑務所の
格子の中に隠れるほうを好むのだ。」
「規則と指示と命令」の中に居れば、
自分で決めなくてよい。
その代わり、本当にやりたいことや、
もう一歩先の可能性には手が届かなくなる——
この問題は、その「心の格子」を
一枚ずつ外していくための、
小さな頭の体操になっています。
潜在意識と「枠」
この「心の格子」は、
潜在意識や心理学の世界でも述べられています。
コンフォートゾーンという言葉をご存じでしょうか。
慣れ親しんだ環境・やり方・考え方の中にいると、
脳は「安全」と判断し、そこから出ることを
本能的に避けようとします。
本のいう
「群れという避難所」
「規則と指示と命令」
のなかにいる状態は、
まさにコンフォートゾーン。
潜在意識は変化を「リスク」とみなし、
知らず知らずのうちに
「この枠のなかにいれば安心」
というパターンを強化していきます。
だから、頭では
「もっと大きく考えたい」
と思っていても、
いざ一歩踏み出そうとすると、
体や感情がブレーキをかける——
そんな経験はないでしょうか。
もう一つ、
枠を手放しづらくする要因が
サンクコストです。
すでに投じた時間・お金・労力は
戻ってこない(埋没コスト)のに、
「ここまでやってきたから」
「今さらやめられない」
と、本来なら切り替える選択をすべきところで
現状にしがみついてしまう心理です。
潜在意識でいえば、
「自分はこれまでこの枠のなかで生きてきた」
「この枠を手放すと、今までの自分は無駄だったことになる」
という自己正当化が働くことがあります。
その結果、
新しい思考範囲ややり方に移ることを
「損失」と感じ、
格子のなかに留まる選択を
繰り返してしまうのです。
コンフォートゾーンは「居心地の良さ」、
サンクコストは「もったいなさ」として、
心の格子を「維持したい」理由になっています。
両方に振れながら、
「本当にこの枠のままでいいのか?」
と一度問い直すと、
思考範囲を広げる第一歩になります。
思考範囲を広げるために
・「ここまでが限界」は、本当に限界か?
・「正解」を待っていないか?
・自由と責任が怖い、と認める。
・コンフォートゾーンに甘えていないか?
・サンクコストに縛られていないか?。
私は、2回転職しましたが、
最初の転職は、
すごく抵抗がありました。
初めて就職した会社を辞めることへの抵抗
それもありましたが、
やはり、慣れ親しんだ環境を切る
ということへの抵抗感。
まさに、その場所はコンフォートゾーンであり、
それまでの実績がサンクコスト。
しかし、
転職して、本当に視野が広がりました。
おかげで大きく成長することができました。
遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm, GA)というのがあります。
生物の進化の仕組み(自然選択・突然変異・交叉)を模倣して、
最適解を探すアルゴリズムです。
・「答えの候補」を 個体(individual) とみなす
・個体の良さを 適応度(fitness) として評価
・良い個体ほど次世代に残りやすい
・交叉(組み合わせ)や突然変異で新しい個体を作る
これを何世代も繰り返して、より良い解に近づける
まさに「進化で問題を解く」方法です。
組み合わせ最適化(巡回セールスマン問題など)の例が有名です。
この手順のなかに、「突然変異」がありますが、
まさに、枠を超えた発想をする手順だともいえますし、
この飛び越える手順が無いと、
最適解にはなかなかたどり着けないのです。
仕事のアプローチについても、
・積み上げアプローチ
・デザインアプローチ
の2種類がありますが、
既存の考え方の枠の中だけで問題点を見つけて潰す「積み上げアプローチ」よりも、
枠を越えた発想から理想を定義する「デザインアプローチ」のほうが
会社を大きく飛躍させる可能性が高いです。
まとめ
- 今回の問題は、心のなかにある「刑務所の格子」を図示化したもの。
- 技術者・ビジネスマンに共通する誤りは「決して大きく考えようとしない」こと。
- 規則と指示のなかにいると楽だが、そのぶん自由と可能性が狭まる。
- 潜在意識のレベルでは、コンフォートゾーン(慣れ親しんだ枠=安心)とサンクコスト(「ここまでやってきた」への執着)が、格子を維持する理由になりやすい。
- 思考範囲を広げるには、「ここまでが限界」の前提を疑い、コンフォートゾーン・サンクコストを意識しつつ、別の世界からも積極的に情報を収集すること。