Moving Average (移動平均)は、たぶん一番多く使われているインディケーターです。計算式は簡単で、平均値を計算しています。Moving Average の頭文字をとってMAと表現することが多いです。
例として、5MA(5個のデータによる移動平均)の計算式を示します。
現在位置(y1)を含めて5ポイント遡ったデータで計算します。一般的な移動平均というと下式のように前後のデータの平均値で平滑化すると思いますが、過去のデータを使って計算するところがポイントです。(未来のデータが不明で「未確定」にするわけにはいかないからです)n数が少なければあまり気にならない点かもしれませんが、大きい期間(75MAとか200MAとか)の移動平均になると、かなり古いデータで計算することになるので、現在値とのタイムラグが大きいという認識をもつ必要があります。
普通の平均値を計算するMAは、正確にはSMA(Simple Moving Average=単純移動平均)ですが、標準的な移動平均なので単にMAと表現しています。
EMAはExponential smoothed Moving Averageの略で指数平滑移動平均線で、直近の値を2回分加算して急な変動に追従し易くしています。
移動平均線は主に終値を使って計算されていると思いますが、終値は時間で区切ったときにたまたまそこで終わった値であり、始値はその続き(休みをまたがない限り終値と同じ値)なので、本当の平均はMAXとMINの平均だと思います。しかし時間軸に対する密度が異なるので、短い時間軸の値を集めて平均するほうがより正しい平均だといえそうです。
しかし、トレードに使う場合は、一般的なものを使うべきであり、何が正しいとか学術的な意見よりも、多くの人がどれを使っているか、ということのほうが重要です。期間の設定でも20MAなのか21MAなのか?みたいな細部は実践しながら「合う」と思ったほうを使えば良いと思います。
移動平均線、私は10EMA,21MA,75MAの3本を使っています。10EMAは最初使っていませんでしたが、最近よく見かけるパターンでは、10EMAに抑えられて下落する形状が何度かあります。その形を見ると少し安心できますね。下図は、ローソク足が21MAを割ってからずっと10EMAに抑えられながら下げているわかりやすい形でした。なお、10EMAはボリンジャーバンドの1σとも一致しやすいという特徴もあるようです。