将棋の上達法で、新聞将棋上達法というのがあります。(囲碁でも同じです)新聞には将棋欄(囲碁欄)があり、プロの指した1局の将棋が7~8回に分けて掲載されています。そこには、開始局面と指了図,そこまでの指し手と解説があり、指了図が次の一手の局面となります。そこで次の一手を考える。考える時間は長いほど良いが、集中して真剣に考えること,自分なりに自信の持てる結論を出しておくことが重要です。これを繰り返すことで、プロの感覚を教わりながら、自分なりに原理を会得するのです。ここが大切なところで、自分なりに身につけることを抜きにした上達というものはあり得ません。
本当に強くなりたいと思ったら、まず独立心が必要です。いろいろな事を教えてくれる人や教材も大切ですが、原点には自分が中心にいないといけません。便利なツールや先人の残した定跡など、それを覚えるだけで受け入れていてはダメで、なぜそうなるのか、どんな原理なのか自分なりに答えを出しておくことです。そうすることで変化にも対応できる実力がつきます。
「急がば回れ」ではなく「急がば自分で考えろ」
米長邦雄氏の言葉です。
大切な前提条件として、「こんなやり方がいい」といったことを誰かに聞いてそれを行うのではなく、自分が本当に「これだ」と気がついたやり方で勉強することが重要です。
知ると分かるは大きな差 でも似たようなことを書きました。すごく効果のあった勉強法を”知った”。すごく価値のある情報を”知った”では、評論家になることはできても、成果をあげることはできません。
図書 <カン>が<読み>を超える でも似たような記述があります。「タイトルを獲る人の勉強法は”誤読”の繰り返しだ」ということと同じですね。
エジソンは言いました。
「丸覚えの知識や大学出のエリートを気取っている人は軽蔑する。現場で全く役にたたない。現場で得た生きた知識には太刀打ちできない。教育は現場でやるべきだ」
まぁ現場に浸かりすぎるのもどうかとは思いますが、少なくとも自分で体当たりして考えることが大切だという意見は一致します。本を読んで知識を詰め込むより、自分の頭で問題を解決する努力の時間のほうがずっと大切だと。
「急がば自分で考えろ」
今でも通じる格言。
最近、知ると分かるの違いを痛感していますが、それと通じるところが多々あり、私も経験を積んでいろんな想いを浮かべると、昔に勉強したこうした言葉が、当時とは違う「実感」として感じられるようになってきました。