私、失敗しないので

ドラマ「ドクターX」で有名なこの言葉「私、失敗しないので」
私もよく使います。

大門未知子も本気で言っていると思います。自信過剰や強がりではなく、自分自身への自己暗示というか、潜在意識にすり込ませるためにも。彼女が失敗しないのは、潜在意識からくる根拠の無い(?)自信からきているのだと思います。

私の場合、少し意味が違っていて、つまらないミスはよくします。「あ、忘れていた」「間違えた」みたいなことをやってしまうのですが、失敗にならないのです。なぜかって?技術者だからです・・・!?

私は技術開発を専門にしています。品質工学という少し難しい学問を使って、直交表というまたややこしいマトリックスで実験するので、理解されにくい面があります。8種類の条件×3水準で、全ての組み合わせは4374通りになるところを18の組み合わせで実験するという・・・難しい話になりそうなので本題に戻りますが、まぁとにかく18回(18種類の条件で)実験します。最近、何度か実験の途中で想定しないようなことが起こりました。いろいろな条件を変えてしまうので、狭い範囲では特性は出るのに、実験では全く特性がでなかったりするサンプルが生じるのです。それとは別に、本当に「あ、間違えた」ということもありましたが。しかし、私が今たずさわっているのは幸いにも本当の開発チームなので、意外にも失敗したことが逆に新しい知見になる、ということも少なくありません。逆に既知の範囲だけの実験やサンプルでは発生しなかったことが、失敗によってでてくることもあるのです。よく発明秘話なんかでもあるでしょ?間違ってやってしまったことが発明につながったといった話。だから、失敗と思えるようなミスも全て成功につながる知見を得ることに役立つので、私、失敗しないのです。