「柿が赤くなると医者が青くなる」
ということわざがあります。
それほど昔から、柿は
体によい食べ物として
親しまれてきました。
生の柿もおいしいですが、
干し柿には干し柿ならではの魅力があります。
甘みが強くなるだけでなく、
水分が抜けることで栄養成分が凝縮され、
保存もしやすくなります。
文部科学省の食品成分データベースでも、
甘柿と干し柿では
100g当たりの栄養価に大きな違いが見られます。

この記事では、
・干し柿にすると何が変わるのか
・どんな栄養面の特徴があるのか
・なぜ渋柿が甘く感じられるようになるのか
を、できるだけわかりやすく整理してみます。
栄養素が増える
まず押さえておきたいのは、
干し柿にすると栄養素そのものが
魔法のように増えるというより、
乾燥によって水分が減るため、
100g当たりの成分量が濃縮される
ということです。
文部科学省の食品成分データベースでは、
甘柿は水分83.1gに対して、干し柿は24.0gです。
エネルギー量も甘柿63kcalに対し、
干し柿274kcalと大きく変わります。
そのため、干し柿は少量でも甘みを強く感じやすく、
食物繊維やカリウムなども効率よく摂りやすい食品といえます。
一方で、乾燥に弱いビタミンCは減りやすいため、
「何でも増える」という理解ではなく、
増えやすいものと減りやすいものがある
と考えるのが正確です。
干し柿は美肌効果や二日酔い対策に良いと言われています。
私はもともと干し柿は好きではなかったのですが、
二日酔い対策に効くという理由だけで、
酒のツマミに愛用するようになりました。
効果のほどは、、、わかりませんが(^^)
以下に各栄養素の効果について説明します。
タンニン
柿といえば、やはりタンニンがよく知られています。
渋柿の渋みのもとでもあり、
柿らしさを語るうえで外せない成分です。
一般に二日酔いは、
アルコールが体内で分解される途中で生じる
アセトアルデヒドが関係するとされています。
体内ではアルコールがまずアセトアルデヒドに変わり、
その後さらに分解されていきます。
タンニンは、
このアセトアルデヒドと結び付きやすい性質と
排出を促す効果を持っているようです。
結び付いたまま体外へ排出されれば、
アセトアルデヒドが体内を巡らず、
二日酔いの症状が緩和されるとい言われています。
そのため、柿や干し柿は昔から
「お酒を飲む前に食べるとよい」
と言われてきました。
高級な赤ワインは渋いのですが、
その渋みも、タンニンです。
赤ワインは悪酔いしにくい、
と言われるのは、ここからきています。
ただし、
干し柿を食べれば二日酔いを確実に防げる、
とまでは言い切らず、
体調管理の一助として親しまれてきた食品
くらいに表現するほうが自然だと思います。
タンニンはそれ以外にも、
シミやくすみの原因のメラニン色素の増殖を
抑える効果があると言われています。
つまり美白効果があるのです。
毛穴を引き締める効果があるので、
お肌を引き締める効果があります。
*** 豆知識 ***
<なぜ干し柿にすると渋い柿が甘くなるのか>
干し柿には、渋柿を使います。
渋柿は、タンニンによって渋みを感じるのですが、
それを乾燥することで
渋いタンニンが無くなるわけではありません。
渋柿に含まれるタンニンは水溶性で、
それが乾燥することで固溶性になり、
舌が渋みを感じなくなることで、
甘い成分のみ感じるようになるのです。
さらに、乾燥によって水分が抜けるため、
糖分が相対的に濃くなり、
甘みも強く感じられるようになります。
干し柿が「生の柿よりずっと濃い甘さ」に感じられるのは、
この渋みの低下と糖分の濃縮が重なるからです。
<甘柿でも二日酔い防止効果はあるか?>
甘柿を切ると、内部の実の中に黒い斑点があります。
これはタンニンが凝縮したものです。
渋柿は水溶性タンニンを乾燥することで
固溶性にすることで甘みをだすのですが、
甘柿は最初からタンニンが固溶性状態なので甘い。
しかしタンニンが無いわけではないので、
二日酔いに対する効果はあります。
<アルコール分解の仕組み>
体内にアルコールを取り込むと、
肝臓は2度の分解処理をして
アルコールを無害化し、体外に排出します。
1度目は、アルコール脱水素酵素(ADH)を使って分解処理します。
このとき「アセトアルデヒド」という物質が発生します。
アセトアルデヒドは、
さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって、
酢酸、二酸化炭素、水に分解されます。
二日酔いは分解処理の途中に発生する「アセトアルデヒド」によって起こります。
アセトアルデヒドは有害物質です。
そして肝臓は、
一度にアセトアルデヒドを分解できる量には限度があります。
ALDHがアセトアルデヒドの処理能力を越えた場合、
アセトアルデヒドは体内に流出します。
アセトアルデヒドの血液濃度が高くなると、
頭痛、吐き気、むかつき、だるさ、発汗、食欲不振、腹痛
など二日酔いの症状が起こります。
β-カロテン
干し柿にはβ-カロテンも含まれています。
β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、
粘膜の健康維持や免疫機能の維持に関わる栄養素です。
抗酸化作用をもつ成分としても知られており、
日々の食生活の中で取り入れる意味のある栄養素の一つです。
*** 豆知識 ***
β-カロチン? β-カロテン?
英語のつづりはcarotene。
従来は「カロチン」と言われることが多かったようです。
しかし、学術用語集-化学編での表記は「カロテン」で、
「カロチン」は
「古い用語として文献などに見られるが、その使用は望ましくない」
とされています。
また、数年前に改められた政府の
「日本食品標準成分表」
でも「カロチン」が「カロテン」に
変更されました。
最近では「カロテン」のほうを
使うことが多くなっています。
不溶性食物繊維
干し柿には食物繊維が含まれています。
水分が少なく、少量でも
しっかり食べた感じがあるため、
間食として使いやすいのも魅力です。
ただし食べすぎると
糖分の摂りすぎにもつながるので、
ほどよい量を意識したいところです。
カリウム
干し柿にはカリウムも含まれています。
カリウムは体内の余分なナトリウム排出に関わる栄養素で、
食生活のバランスを考えるうえで
大切な成分です。
干し柿は乾燥によって
100g当たりのカリウム量も
高くなりやすい食品です。
体のほてりを抑えてくれる効能があります。体の中の余分な水分を排出する働きがあるので、 むくみが気になる方には有効です。
また、利尿作用があるためアルコールを排出するのに役だちます。
ビタミンC・A
柿はもともとビタミン類を含む果物ですが、
干し柿にするとビタミンCは減りやすい点には注意が必要です。
一方で、β-カロテン由来のビタミンA関連の栄養や、
乾燥によって摂りやすくなる成分もあります。
つまり、干し柿は
「生柿の完全上位互換」ではなく、
生柿とは違う良さを持つ食品
と考えるのがよいと思います。
ビタミンは、免疫を適切に機能させ、
呼吸器の感染抵抗力を強化する,
視力低下を防ぎ、目の障害の治療を助ける,
皮膚の健康を維持し、皮膚免疫を強化する,
骨、髪、歯などを丈夫にする,
ニキビ、シワ、皮膚潰瘍治療の補助
など、
いろいろと良い作用があります。
なぜ干し柿にするのか
干し柿にする理由は、
単に渋柿を食べやすくするためだけではありません。
大きく分けると、次の3つの魅力があります。
1)栄養素の変換
上述の通りです。
2)美味しさ
渋柿はタンニンによりとても渋みを感じます。
でも実はタンニンが多いというだけで
糖分は渋柿の方が多いのです。
そのため乾燥してタンニンの渋みを感じなくなる
(水溶性から固溶性になる)ことで、
甘柿よりもよりとろりとした甘さを感じられ、
美味しいものに仕上がるというメリットがあります。
干し柿にすることで水分が抜けて糖度が高くなり、
甘味は甘柿の約4倍になるともいわれています。
3)保存性
生柿は冷凍しても保存効果はありませんが、
干し柿は保存効果があります。
冷凍庫に保存することで、
新鮮さを保つことができます。
水分が少ないのでカチカチになることもなく、
冷凍庫から取り出してすぐに食べることができます。
干し柿の白い粉は何?
干し柿の表面に見える白い粉
一般的にはこれは
柿に含まれる糖分が表面ににじみ出て結晶化したものです。
農水省関連の資料では、
ブドウ糖や果糖などの糖分によるもの
と説明されています。
つまり、白い粉が吹いている状態を
「劣化」と考える必要はありません。
が、
できたての干し柿は粉をふく前のもので、
通(ツウ)の人は粉を吹く前のものを好みます。
干し柿は、できあがってから時間がたつほど
粉を吹く,色が黒くなる,固くなる、
という変化をします。
新鮮なものは粉をふく前の状態なのです。
冷凍保存することで
粉のふかない新鮮な状態を
保つことができます。
その他の柿の効用
柿渋は体臭・汗臭及びニキビを防ぐ
薬用効果があるようです。
臭いの原因となる汗、皮脂などの
汚れを洗浄し、
有効成分が臭いの原因である雑菌の繁殖を防ぎ、
気になる臭いの発生を防ぐとか。
体臭が気になる人は
柿渋ボディソープを試してみても良いかもしれません。